タガメと並び水田の肉食性昆虫として

知られるゲンゴロウ

 

水が綺麗な場所でしか生きられない印象が強い

ゲンゴロウですが、

ペットとして飼育することは可能なのでしょうか?

 

今回はゲンゴロウの餌や生態、寿命や飼育方法について

ご紹介していきます。

 

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ゲンゴロウの飼育方法は?

ゲンゴロウ 画像

 

成虫のゲンゴロウの平均体長は4cm以上。

 

日本に生息する水生昆虫の中

最大の大きさを誇ります。

 

そのため、飼育ケースも大型のものが必要です!

 

幅40cm程度の飼育ケースに

5匹程度の飼育が適切。

 

幅60cm以上の水槽を用意すれば

8匹くらいまで飼育ができますが

あまり大きな水槽を使うと、

水が汚濁しやすくなるため水替えをすることを前提に

飼育ケースを選びましょう。

 

ゲンゴロウは飛ぶことができるため

飼育ケースには必ず蓋をしてくださいね。

 

飼育ケースの底には砂利を敷き、

体を乾かす止まり木になるよう、

流木を立てましょう。

 

ゲンゴロウは水草の茎に卵を産み付けるので

繁殖を考えているのであれば

オモダカやコナギなどの水草も忘れずに入れてください。

 

また、ゲンゴロウは水田や里山の沼など

水が綺麗な環境でないと生きることができないため

ろ過装置もしっかり付けてくださいね。

 

同じゲンゴロウでも、

シマゲンゴロウやヒメゲンゴロウのような

小~中型のゲンゴロウを飼育する場合は、

30cm程度の飼育ケースに10匹まで飼育が可能です。

 

この大きさの飼育ケースであれば

水替えもあまり大変な作業ではないのでろ過装置をつけずに、

カルキ抜きした水とこまめに変えることでも飼育は可能ですよ。

 

小型のゲンゴロウの場合は、用意する水草も

キンギョモなどの細いもので良いでしょう。

 

 

 

ゲンゴロウの生態や寿命は?

その武骨な見た目から人気の高いゲンゴロウですが、

住処としている水田の干ばつや、

農薬による水質の変化、沼の水質汚染や外来生物の増加

また、ペット業者による乱獲といった様々な理由で

半世紀ほど前より数を減らし続けています。

 

2018年現在は絶滅危惧種として

レッドデータに載っています。

 

ゲンゴロウの生態には

まだ解明されていない部分も多く、

ペットとして飼育する際の寿命は3~5年程度だそう。

 

自然の環境下では2年程度生きるとも言われるものの

正確な寿命は判明していません。

 

日本全土に分布しており、

環境の良い溜め池や沼、水田などに生息しています。

 

日本では、ナミゲンゴロウのような大型のものから

ヒメゲンゴロウのような小型のものまで

およそ100種類ほどのゲンゴロウの姿を見ることができますよ。

 

水生昆虫のゲンゴロウですが

空気を取り入れる際は腹部にある気門に

空気を取り入れることで呼吸をしています。

 

気門から入った空気は

羽の下の隙間に溜めることができ、

これをボンベの代わりにして潜水することができるのです。

 

このボンベの中の酸素は、

水中でも蓄え続けられるため

水中の酸素濃度が高くなる冬の時期などは

水面に出てくる必要がなく

一日中水中に潜っていられます。

 

ゲンゴロウの雄と雌の見分け方ですが、

雄の前肢には吸盤がついていて、雌にはついていません。

 

雄は交尾の際にこの吸盤を使って

雌の背中にしがみ付くのです。

 

ゲンゴロウの繁殖は11月から6月にかけてで、

水温が25℃前後の時であれば14日程度で孵化します。

 

孵化したばかりの幼虫の体調は25mm程度ですが

小さい体からは想像もできないほど強靭な顎を持ち、

陸に上がるまでに、オタマジャクシやヤゴ、

小さなドジョウまで捕食することが可能なんだそう。

 

孵化して50日前後でゲンゴロウは陸に上がり

水辺の柔らかい土質の場所を選んで

地中に潜り込み、そこから20日程で羽化します。

 

羽化してもすぐには地上に出ず、

そこからさらに1週間程度たって体が完全に硬化してから

成虫として外の世界に上がってきます。

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ゲンゴロウに餌を与える頻度や量は?

ゲンゴロウは肉食性の昆虫です。

 

しかしながら、動きが機敏な生餌を捕まえることが苦手で

おたまじゃくし

 

生きている獲物しか捕食しないタガメと違い、

弱った昆虫や、メダカなどの死骸を食べることもあります。

 

そのため、ペットとして飼育する場合は

煮干しや乾燥アカムシスルメなどが向いているでしょう。

 

特に釣具店などで手に入る冷凍や乾燥状態の

アカムシやミルワームは、比較的油分が少なく

水が汚れることも防げるのでおすすめですよ。

 

ゲンゴロウは飢餓状態にあると

共喰いをする習慣があり、

餌の奪い合いも激しい生物です。

 

そのため、複数のゲンゴロウを水槽で飼育している場合は

1日に1回は給餌するようにしてください。

 

特に幼虫のゲンゴロウは獰猛な性質を持っているので

餌の量には注意が必要ですよ。

 

ゲンゴロウ1匹あたり、

ミルワームなら2~3匹が適正な給餌量です。

 

しかし、水温が低くなる冬の時期は

ゲンゴロウの活動量が減る傾向にあるため餌の量も減ります。

 

普段の様子を観察して、餌の量を調節してくださいね。

 

 

ゲンゴロウに与えてはいけない餌って?

おたまじゃくし

上でも触れたとおりゲンゴロウは、

素早い動きの生餌を捕まえることが

あまり得意ではありません。

 

そのため、元気なアカヒレやおたまじゃくしなどの小魚を

ゲンゴロウの水槽にいれても捕まえることができずに、

ゲンゴロウは弱ってしまいます。

 

逆に考えれば、こういった小さな魚と共存ができるので

他にゲンゴロウの餌を用意してあげることで

水槽内のレイアウトを考えたりと、

よりゲンゴロウの飼育を楽しむことができますよ。

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ゲンゴロウの餌には何がいいの?

基本的にゲンゴロウは動物性の餌であればなんでも食べます。

 

刺身などの食べ残しでも餌になりますが、

油の多い餌は水の汚れが気になりますよね。

 

ここからは入手しやすいおすすめの

ゲンゴロウの餌を紹介していきます。

 

ぜひ参考にしてくださいね。

 

煮干し

にぼし

スーパーやコンビニでも買える煮干しは

ゲンゴロウの餌としても人気が高いのではないでしょうか?

 

しかし、おつまみとして売られているものは

塩分が強くゲンゴロウの餌には不向きです。

 

上記の商品のように無添加のものなら

安心してゲンゴロウに与えられますし、

余った分は料理にも使えるので

腐らせてしまう心配もありませんよ。

 

ミルワーム

釣り餌や小動物のおやつとしても人気が

高いミルワームは、肉食のゲンゴロウにも

ぴったりの餌です。

 

余ったら、冷蔵庫で保管してください。

 

桜エビ

煮干し同様、スーパーでも手に入る桜エビ。

 

むき海老もゲンゴロウの嗜好にあった餌なのですが

食べ残しで水が汚れてしまうため、

あまり頻繁にはあげられません。

 

小さな桜エビであれば、残さず食べる個体も多いですので

餌に変化をつけたい時などにもおすすめですよ。

 

イトミミズ

最後に紹介するのは

ペットショップや釣具店で売られている

イトミミズ

 

イトミミズもゲンゴロウの餌として人気なんです。

 

保存もしやすく、場所もとらないため

飼育ケースの横に、置いておいても気に

なりませんよ。

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いかがでしたでしょうか?

 

自然の環境下では絶滅危惧種に

指定されているゲンゴロウですが、

飼育方法は決して難しくなく、特に成虫から飼う場合は、

水生昆虫の飼育入門にもおすすめなほど、

世話のしやすい生物なんです。

 

ゲンゴロウはペットショップに

売られていることもありますので、

運よくゲンゴロウに出会ったら

飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

以上、『ゲンゴロウの餌って何?頻度や量、生態、寿命や飼育方法もご紹介!』の記事でした。

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