犬を家族に迎えたい、と考えた時
ブリーダーやペットショップから純血種を
迎える以外に、保健所から引き取りをする
という方法もあります。
しかし、保健所から犬を引き取りする場合には
特別な資格や審査があるのでしょうか?
この記事では、
犬を保健所から引き取りする際の条件について
説明していきます。
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保健所で犬を引き取りする時の条件とは?
『犬の種類にこだわりがあるわけではないし、
犬を迎えるのなら、里親募集か保健所から』
と、考えている方もいるでしょう。
しかし、ネットで犬や猫の里親募集を
見てみると、
『こんなに条件があるの!?』と驚かれる
方もいるのでは?
犬や猫の里親募集にはガイドラインが存在
しないため、募集主によっては、到底飲めない
ような条件をつけていることもあり
それが原因で動物の引き取りを諦める方も
多いとされています。
しかし保健所からの引き取りの場合は、
自治体ごとに若干の差はあれども
基本的には同じ条件を挙げています。
以下に、保健所から犬を引き取りする場合の条件を
8つ説明していきます。
1:保健所のある区や市町村に住所があること
保健所から犬を引き取りする場合には、
候補となる犬がいる保健所を
管轄する自治体に住所があることが条件となります。
この時の住所とは、ただの居所のことではなく
住民登録を受けて住民票に記載されている住所である必要がありますね。
そのため、例えば“友人の家に同居していて
生活の拠点にしているけれど、住民票の住所
は実家”といったような場合は、住所変更を
してからでなければ、保健所から犬を引き取り
することはできません。
2:引き取り希望者が成人していること
保健所から犬を引き取りする場合には
引き取りを希望して、手続きを行う人物が
20歳以上である必要があります。
そのため、実際に世話をするのは未成年者
である場合は、同一世帯の大人、両親などが
代表として、引き取りの契約を行うことに
なりますね。
もちろん同一世帯であれば
祖父母でも引き取り手続きは行えますが、
自治体によっては条件として
年齢制限に上限を決めている場合もあり
20歳以上60歳以下と定めている所も少なくありません。
これは、高齢の人に犬を譲渡した際に
体調不良などの理由から
飼育が満足にできなくなる危険に配慮した結果の条件でしょう。
3:犬の飼育が可能な住居に住んでいること
保健所から犬を引き取りする条件として当然
ではありますが、ペット可の住居に住んで
いることが求められます。
持ち家の戸建てを除き、
分譲であっても集合住宅であれば
管理規約賃貸の場合は賃貸契約書の確認が求
められますので、契約時に見せることができる
よう準備しておきましょう!
入居時にはペット不可であったけれど、
その後の交渉で可になったという場合もありますよね。
そういった際は大家さんや管理会社との
口約束だけでは、引き取り条件を満たして
いないと判断されてしまいますので、
文書を発行してもらう必要がありますよ.
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4:狂犬病予防接種を必ず受けること
保健所から犬を引き取りする条件として
狂犬病の予防接種を毎年必ず受けさせるというものも挙げられます。
特に室内で小型犬を飼育している人の中には
『家の犬は散歩もしないし外に出さないから』
という理由で、狂犬病の予防接種を受けない
人も少なからずいます。
また、『今の日本に狂犬病はないから』と
いう理由で、予防接種を受けない人もいるでしょう。
日本に狂犬病の犬がいないのは、
多くの犬が予防接種を受けているからで
あって、このような考えの人が増えていった
場合は、狂犬病が発生するリスクは否定
できなくなります。
そのため保健所では犬の飼育をする人の義務
として、狂犬病の予防接種を定めており、
保健所から引き取りをした犬にも同じことを
求めているのです。
5:一人暮らしではないこと
個人やボランティア団体の里親募集の条件
としても、度々異議が上がることもあります
が、保健所でも犬の引き取り条件として
一人暮らしではないこと、
成人2人以上で生活をしていることが挙げられます。
これは一人暮らしであった場合に、
病気や、海外転勤といった事情で、飼育
継続が困難になった場合に、
再び犬が家を失ってしまうことを防ぐため。
特に犬は毎日散歩に行く必要があったり
しっかりしつけを行う必要であったりと
猫に比べて一人で飼うには負担の大きい動物です。
そのため、一人暮らしの人には譲渡が
できないという、保健所の条件があっても
不思議ではないでしょう。
6:妊婦、要介護者が世帯にいないこと
要介護者が家庭にいる場合は、環境が急変しやすいです。
場合によっては、犬の世話ができるような
状態では、なくなってしまう、ということも
多くあります。
また、妊娠は病気ではありませんが、
妊婦も体調を崩して急遽入院となる可能性がありますね。
何より、出産後に犬の世話を全く見られなく
なる、可能性があるために、引き取り不可
の条件としていますよ。
実際に保健所に収容されている犬の中には
飼い主の妊娠、出産を機に置いて行かれた犬
も多く、そういった辛い過去を持つ子に、
二度と同じ経験はさせたくない、
という保健所職員の気持ちから生まれた
条件なのでしょう。
保健所にいる犬たちは人間不信であったり、
攻撃的になっていたりと、問題行為が見られる子も多くいます。
乳幼児の世話をしながら、
面倒が見られるような大人しい子ばかりでは
ありませんので、子育てが落ち着いてから
引き取りを検討してください、ということ
なのでしょう。
7:避妊または去勢手術を受けること
健康な犬の体にメスを入れることに
抵抗がある飼い主の方も多いかと思いますが、
保健所では犬の引き取り条件として
適切な時期に避妊、
または去勢手術を受けさせることを定めています。
これは、不幸な命が産まれることを防ぐ
ためであって、手術を受けたことを報告する
ことも条件となっていますよ。
また、既に犬や猫を飼育している場合は
先住の犬猫が避妊・去勢手術を受けていることも条件となります。
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8:終生飼育ができること
最後に一番大切な条件ですが、
終生愛情を持って、家族の一員として育てること。
当たり前のことですが、それができない人
がいるので、保健所に収容される犬や猫が
後を絶たないのですから、引き取り条件
として明文化して、契約書にサインをもらう
必要があるのです。
この条件の中には、
犬を番犬という道具ではなく家族とすること、
飼育するのに充分な費用を負担できること、
毎日の散歩や日常の世話ができること等が含まれます。
保健所で犬を引き取りする条件に満たなかったらもう引き取れない?
保健所で犬を引き取りする条件を説明しましたが、
満たせない条件がある、という方もいますよね。
一部の条件については、保健所に相談をすると
譲歩案を提示してもらえることもありますよ。
例えば、年齢制限の上限に掛かってしまっている場合や
一人暮らしの場合は、希望者との面接次第では
何かあった際に犬を引き取りしてくれる
成人の保証人がいれば、譲渡可能となることがあります。
また、犬の引き取りは初めて動物を飼育する人でも可能ですが
譲渡前に犬の飼い方の講習会に
参加することを義務付けている自治体も多く、
この講習会は土曜日か日曜日に行われることが多いです。
そのため週末は仕事で講習会を受けるのは難しい
という際は、前もって保健所で相談をしておくと良いですよ。
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犬を引き取りする場合に保健所が設けた条件については
“当たり前のことばかり”と感じる人もいれば
『厳しすぎる!』と感じる人もいるかもしれません。
しかし、引き取りを希望する人の中には
『タダだから』というだけの理由で
犬を欲しがる人も、残念ながら存在します。
無料だからときちんと飼育する目途もないのに欲しがる人達から
犬を守るために考えられた条件ばかりですので、
あまりにも条件を満たせない、保健所に断られたという場合は
『今は犬を飼う時期ではなかった』と考えるようにしましょう。
準備が整ってから再度保健所に足を運んでみると
とんとん拍子に運命の子をお迎えできたりするものですよ。
以上、『保健所で犬を引き取りする条件は?高齢者や初心者、室外で飼うのは?』の記事でした。