日本ではまだ肌寒い・・春の季節に、遠い南に島からやって来る渡り鳥としてお馴染みの『ツバメ』。
『ツバメが巣を作る家は栄える』『ツバメは幸運の鳥』として縁起が良いとも言われていますね。
とても身近な渡り鳥ツバメですが、いったいどんな鳥なのでしょう?生態や習性・飛来時期、ツバメの種類・巣の作り方や寿命などツバメの一生を詳しく見ていく事にしましょう。
ツバメの習性
まずはツバメの習性ですが、ツバメは民家の軒先や駅などとにかく人通りが多い場所に巣を作る習性があります。
これらは、『ツバメが巣を作る家の特徴』であり、ツバメが好む家ですね。
このような場所をあえて巣営場所として選ぶのには理由があり、雨風を防げるだけでなく、蛇やカラス、スズメなどの天敵から身を守る事ができるからです。
また、ツバメは渡り鳥としても有名ですが、春になると生まれ育った場所に戻ってくると言う習性もあります。
そして、安全に子育てできた巣営場所には、再び巣を作ります。
とは言え、ツバメの習性や生態は、ツバメの種類やツバメが分布する国によっても違いがあります。
ツバメの種類によっては、尾羽の長さや形、そして身体の色などの見ため・巣の作り方なども違います。子育てをする場所も暮らす環境や国によっては、人家や人通りの多い場所にだけ巣をかけるとも限りません。
日本にいる一般的なツバメとは違い・・。
海外では、人が全くいない場所に巣をかけているツバメも確認されています。
また、ツバメは飛行能力には優れていますが、戦闘力はありません。足などの見ての通り、とても細く弱々しいです。
天敵から身を守るための習性として、春先に日本に渡ってきたツバメは巣作りを初める前に『集団ねぐら』を形成しながら北へ移動する習性があります。
そして、目的の帰省場所につくと巣営場所でペアを待ちます。ペアを見つけ巣作りまでの時期は、頻繁に『ツバメが家の前を飛ぶ』傾向があります。
『巣作りの下見』をしていたり、メスを『ツバメの巣に誘導』する光景も目にします。
無事ペアになったら子育て開始です。やがて抱卵し、卵が孵化すると大家さんへのプレゼント?として、卵の殻を1個だけ地面に落とします。置き土産と言っています^^
家でも、毎年この置き土産があります。無事孵化したサインとお礼みたいなものでしょうか?
この卵の殻を1個だけ落とす行為は、習性と呼んで良いのか?分かりませんがツバメ特有の行為ですね。
1回だけですが、2個落ちていた時がありましたwww
やがて、子育てが終わった親ツバメや、この年に生まれた若ツバメは、秋の渡りが来るまでまたこの集団ねぐらで皆と一緒に過ごします。
虫の少なくなる秋には、遥か5000㎞先の南へ旅立ちます。この時の飛行速度は、時速で約50kmです。日によっては、たった1日で300㎞移動してしまうくらいタフな鳥です。
これには、ツバメ特有の飛行能力があり脳の半分だけ眠らせて飛ぶ事ができるのです。つまり、飛びながら休む事ができる素晴らしい能力を持ち合わせているわけです。
とは言え、これくらいの特殊能力がなければ5000㎞の長旅は厳しいのでしょうね。ツバメの習性はこのように、いかに餌をお腹いっぱい食べて、子孫を反映し生き抜くか?と言う所に通づるところがあります。
ツバメの縄張り争い
動物には帰省本能と言うものがあり、それはツバメも同様です。旅のゴールは、自分が生まれ育った、懐かしい故郷の町です。
こうして、春先、日本列島を北上してきた、オスのツバメは、メスよりも先に自分の縄張りに戻ってくる習性があります。
ただし、あまりゆっくりもしていられない?それは、少しでも良い場所を確保しようとする、オスどうしの縄張り争いに勝利する必要があるからです。
自分の縄張りを新たに開拓しようとするツバメ、元々あった自分の縄張りを守ろうとするツバメなど・・・
観察していると、自分の縄張りに入って来ようとするオスを、鳴きながら威嚇し追い払ったりしています。道路や民家の屋根の上などを、スレッスレで猛スピードで飛んだり、追いかけ合うツバメ達を見た事がある方もいるのではないでしょうか?
付近の電線にも、常に自分の縄張りを見張っているツバメの姿はあります。メスよりも早く到着したオスは、メスが来る前に良い縄張りを確保しようと必死なのです。
こうしてメスよりも早く到着し、先に縄張りを確保してペアのメスを待ちます。メスが到着する前に、他のツバメに縄張りを横取りされても困りますからね・・・。
春先に、上空を飛行機のようにキレッキレのスピード飛びまわっているツバメの姿は格好良く見えますが、実際のところは少しでも良い場所を確保しようとする、ツバメ達による争奪戦の真っ最中なのかもしれませんね・・。
そして、1週間から1か月ほど遅れてメスのツバメがやってきます。
メスは、縄張りを持つオスを見てまわり結婚相手を決めるようです。やはり、巣作りしやすい良い場所があれば、天敵に襲われるリスクも軽減できますしポイント高いですね♡
鳥の世界でも、やはり強くカッコ良いオス!がモテて、縄張り争いに勝利しやすい感じでしょうか?
水の飲み方が独特である
上記画像は、ツバメが水を飲んでいるシーンです。多くの鳥は、陸地で地面に足をつけた状態で水を飲みますが、つばめは、少し変わっています。
水辺で水分補給する時など、地に足を付けず、水面スレスレで飛びながら、器用に下のクチバシで水をすくい取るように、水を飲む習性があります。
暑い夏の日には、水の中に飛び込むツバメもいます。とても、気持ち良さそうですね。
ツバメは道に迷わないで飛べる
毎年同じ場所に迷わないで帰ってくるツバメですが、なぜ?道に迷う事なく巣作りした地点にちゃんと戻って来られるのか?不思議に思った事はありませんか?
ツバメが道に迷う事なく飛ぶ事ができるのは以下のような理由があります。
人間ならナビを使えば簡単なのですが、ツバメにはそんなものはありません。
ツバメが方角を知るための手立ては、太陽や星座の位置です。これらを頼りに進みたい方角はある程度分かるのですが、ただこれだけでは漠然としたものでしかありません。
さらにコレに加えて、鳥には紫外線も見えているだけでなく地球から出ている磁気力を感じ取る事もできます。つまり、生まれ持って磁気力を感知する能力を持ち合わせている事になります。
後は、上空から見た日本列島の形や故郷の町の景色などの記憶などをすり合わせ、迷子にならず目的地に到着する事ができているようです。
こうして迷子になる事なく飛ぶ事ができるのも、ツバメに限った事ではありませんが鳥の持つ習性と言えます。
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ツバメの生態
それではツバメの生態についてです・・。
それでは、ツバメはいったいどんな生活をしているのでしょうか?日々のツバメの暮らしぶりを順番に追っていきたいと思います。
ツバメは毎年、春の訪れと共に日本に渡ってきて、春から夏の暖かい時期に巣作りをし1回~2回子育てをします。
人家の軒下など、非常に私達の身近な所で子育てをすることから、とても親近感がありますね。そんなツバメですが、冬が来る前には再び南の国へ戻っていく事から【夏鳥】とも言われています。
日本に来るツバメ達の越冬地は、中国の南部、フィリピンやインドネシア、ボルネオ島の北部、マレーシア、カリマンタン島、ジャワ島、ニューギニア島、などの東南アジア方面の国です。
しかし暖かい地域では【越冬ツバメ】と言われ、厳しい渡りを避け、国内で冬を越すツバメも確認されています。
それでは、なぜツバメは毎年渡りをするのでしょうか?
ツバメは渡り鳥!ツバメが渡りをする理由
実は、渡りをするのにはいくつかの理由があります。ツバメのような弱い鳥は、天敵が多い場所では充分な食べ物を摂る事もできません。
また、子育てひとつとっても容易な事ではなく、子孫を残す事が非常に困難な現実があります。鳥の世界も、弱肉強食で強いものだけが生き残る厳しい世界・・力のある鳥がやはり優勢です。
それゆえに、ツバメは天敵から少しでも逃れるために、またエサにも困らない場所に移動するしかなかったのが現状です。
渡りをしなければ、充分な食べ物を摂る事ができず、生きていくためには避けては通れなかったのでしょう。
つまり、少しでも安全に子育てができ、なおかつ虫が多い場所・・それが日本だったのです。これが、ツバメが危険をおかしてまでも、想像を絶するような長い距離を旅してくる理由です。
例えば、つばめは飛んでいるカルシウムやタンパク質が多い昆虫などが主食です。
日本には、これらの昆虫が春から夏にかけては非常にたくさんいます。こうして春先に日本に渡って来る事で、充分な餌を食べる事ができる!と言う点が渡りをする理由です。
子育て!巣作りも昆虫が多い春の時期が最適
春を告げる鳥として、なじみ深いつばめですが、長旅を終え餌が豊富にある日本に来る時期は、日本のように四季がある島の方が、春から夏にかけて餌となる虫が多く発生しやすい事もあります。
ツバメの子育ても、昆虫が多い春の時期が最適と言うわけです。
日本での子育ては、餌をお腹いっぱい食べられる事も理由のひとつですが、こうして餌が豊富にある時期は雛にあげる餌に困らないため、子育てにとても向いている事をつばめも知っているのです。
つまり、つばめの繁殖は、まさに昆虫が多く飛んでいる春から夏にかけてが、雛の子育てには非常に有利と言えます。
虫が多くとれてお腹いっぱいになる、この時期をねらってツバメは巣作りをし、子育てをするわけです。
繁殖期
ツバメの繁殖時期は、早春の4月~7月になります。そしてこのシーズン中に、1~2回の子育てをします。毎日、朝方に1個づつ卵を産み落とし、全部で3~7個ほどの卵を産みます。
抱卵
卵の抱卵期間ですが、13日~18日くらいです。しかし、ツバメは卵を産んでもすぐに卵を温め始めるわけではありません。
ツバメは平均5個の卵を産みますが、卵の孵化をほぼ同時にするために、おおよそ4個めか最後の卵を産んだ頃に、ようやく本格的に抱卵を開始します。
先に産んだ卵ですが、すぐに温め初めないと、卵がダメになるのでは?と思うのですが、決してそのような事はありません。放置してどうかなるわけでもないようです○^^○
こうして、卵を温めるタイミングをそろえる事で、先に生まれたヒナと、後から生まれたヒナの個体差がでないように調整するわけですね。
このように、まとめて一気に御世話する事で、子育ての負担を減らす効果もあると考えられます。
子育て
雛が生まれると大忙しの子育てが始まります。朝から晩まで、ツバメ夫婦は休む暇なく1日何百回もの餌取りに出かけます。
台風で天候の悪い日も当然ありますが、少しくらいの雨ならへっちゃらです。虫が少なかろうが常に餌取りに出かけていきます。雛に給餌する熱心な姿は、応援したくなるほど健気です。
巣立ち
ツバメの雛はあっという間に成長し巣立ちを迎えます。
巣立ち後もしばらくは虫を上手に獲れない子供達に、引き続き虫の獲り方を教えながら給餌する姿が家に近くで見られます。
つばめは子育てを終えると、しばらくは【集団ねぐら】と言われる場所で、子育てが終わった仲間達と共に過ごします。
集団ねぐら
ツバメの集団ねぐらとは?それは、春先に日本に渡ってきたツバメが巣作りを初める前に、大群で眠るために過ごす場所の事を言います。
参考元URL:公益財団法人 日本野鳥の会
毎晩こうして、ほとんどは同じ場所に集まり静かに夜を過ごしています。
日の出前には、餌を求め旅立ち、暗くなる頃にはまた【集団ねぐら】に戻ってきます。
集団ねぐらでは、細いヨシに上手につかまって、夜が明けるまで静かに眠っています。
それ以外にも・・。
春から夏に生まれ巣立った若ツバメや、子育てが終わった親ツバメなどが、秋の渡りが来るまでの時期を、この集団ねぐらで過ごします。
集団ねぐらは、全国各地に点々と確認されています。
餌になる虫に困らず、水が確保できる河川敷や、湖のほとりなどにこのような【集団ねぐら】を作り、秋の渡りの時期までを過ごしています。
集団ねぐらで過ごした後は、厳しい渡りが待っていますので、この時期に餌をしっかりと虫を食べ、体力を増強しているのでしょう。
そして、8月末には体力もあり虫をつかまえるのも上手な親鳥の方が先に、南に渡って行く事が確認されています。
親鳥が先に渡るのは、虫をつかまえるのも上手なので、早く太れるからではないか?と言われています。
若鳥は、まだ体力もなく虫も親鳥のように上手につかまえる事ができません。よって、もうしばらく集団ねぐらで過ごし太らなくてはならないのです。渡りは、しっかり太り体力を増強させてからになります。
ここで、しっかりと虫を食べて体重を2~3gでも増やせるかどうか?が若鳥の渡りを成功させるか?失敗するか?この先の運命がかかっている大切な時です。
下記は、家の近所にある雑木林です。
ここが、集団ねぐらなのか?は分かりませんが、夕方近くになるといつも沢山のツバメが群生になって飛んでいます。周辺の、電線にもツバメが何匹も止まっていたりして、ツバメがたくさん飛び回っています。
↓日没後、電線で休むツバメ
このように、よし原がないような所では、電線や雑木林など身近なところで、ねぐらを形成するようです。
↓例えば、下記も集団ねぐらです。まだ日没前ですが、どんどん集団ねぐらにツバメ達が帰ってきます。
下記は屋上のアンテナに群がっているツバメ達です。
このように、猫やイタチ、蛇などの天敵を避けられる場所で、ねぐらが形成されます。
集団ねぐらに御興味のある方は、下記の【日本野鳥の会】のHPより、【ツバメのねぐらマップ】が配布されていますので、ぜひ参考にしてみて下さい○^^○
公益財団法人 日本ツバメの会
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渡り鳥ツバメの飛来時期
ツバメは、鳥綱(鳥類)でスズメ目・ツバメ科に属する渡り鳥(夏鳥)です。野鳥の中でも、ゆいいつ人間の近くで子育てをするのも特徴的ですね。
別名では、ツバクロやツバクラ、ツバクラメ、玄鳥(げんちょう)などと言われる事もあります。
そしてツバメは、東南アジア・ヨーロッパ・北アメリカの全域に分布し、早秋から秋の終わりまでの暖かい時期に子育てをするために、はるばる遠い島から日本にやってきます。
ツバメの飛来時期は、毎年2月から3月の初め頃になりますが、その年の気候や温度にも左右されます。
日本列島に飛来したツバメ達は、南方から少しづつ北上し、3月の終わりから4月の初め頃には、関東地方などでもツバメが飛ぶ姿が確認されます。
子育てが一段落した後も、しばらくは日本にいますが、しだいに虫が少なくなる頃、つまり9月の中旬から遅くても10月下旬には、また南の国に渡っていきます。
このように、毎年渡りを繰り返すツバメですが、昔からツバメが巣をかけると縁起が良いと言われ、【福を呼ぶ鳥】として古くから人々に親しまれ、大切にされてきました。
渡りの準備
夏が終わり、しだいに虫が少なくなってくると、ツバメ達は渡りの準備を始めます。
日本では、ようやく暑さが少しづつ和らいできて、だんだん涼しくなり始める頃ですね・・。
ツバメ達は、新たな餌を求めて日本から離れ、冬でも昆虫がたくさんいる、南の赤道近辺の暖かい地域(東南アジア方面)に渡って行きます。
このように、遅くても10月の下旬には今年生まれた若鳥達も、一斉に南へ渡っていきます。
この旅は本当に厳しいもので、多くのツバメはここで命を落してしまうようです(悲)
南へ5000kmの旅へ
頑張れ・・つばめさん
渡りをする理由!南へ5000kmの旅
この渡りによる長旅は非常に過酷であり、渡りの途中で力つきて、海の藻屑となるつばめも多くいます。
それほどまでに、過酷な旅であるにも関わらず、ひたすら目的地を目指す理由は?やはり【食料難】にあります。こうして、年に2度の渡りで命をつないでいるのです。
ツバメ 渡り ルート
日本の集団ねぐらを出発したツバメは、そのまま日本列島を南下し、越冬地である南に向けて飛び立っていきます。
渡りの途中にある熱帯の島々・・例えば、フィリピン諸島や、カリマンタン島、インドネシアのジャワ島などの各島々などのルートを通っていきます。
そして、各島々のヨシ原やさとうきび畑などで、夜は【集団ねぐら】を作り眠りにつきます。
上記以外のルートとして、マレーシアやベトナム南部でも、日本で足輪をつけられたツバメが確認されているようです。
こうして、10月から翌年の3月くらいまでは、餌に困らない東南アジアなどの暖かい島で、ツバメは越冬します。
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日本にいるツバメの種類
ツバメと言えば、まっくろで白いお腹、そして顔の周りが赤いツバメがまずイメージされますが、世界には80種類あまりのツバメが確認されています。
この中でも、日本国内で確認されているツバメは下記の6種類です。
それでは、ツバメの種類ごとに、画像(写真)をまじえて御紹介しますね。
ツバメ
下記は【ツバメ】の画像(写真)です。
・体長 約17㎝(ツバメの種類によって異なります)
・体重 16~24g
・ツバメの巣 おわん型
まっくろに白いお腹、尾羽も長く顔のまわりが赤いのが特徴です。いちばん一般的なツバメですね。
生息数も圧倒的にこの種のツバメが多く、ひたいと喉が赤いのが特徴です。日本では、早秋から秋の終わりくらいまで、九州から北海道のいたる所で確認されている【夏鳥】です。
イワツバメ
下記は【イワツバメ】の画像(写真)です。
・体長 約15㎝(ツバメの種類によって異なります)
・イワツバメの巣:コシアカツバメの巣に良く似てはいますが、巣の中に続くとっくりの口のようなものはありません。
イワツバメはお腹と腰のあたりが白く、尾羽は若鶏のように短く、ごく浅いゆるやかなカーブの切れ込みがあります。顔の赤みがないのも特徴です。
繁殖地は九州方面よりも北側となりますが、大きく違う点は巣を作る場所です。
例えば、上記画像のように橋の下などにも、イワツバメの巣は見られます。しかも、巣は集団で形成されるのも特徴です。
コシアカツバメ
下記は【コシアカツバメ】の画像(写真)です。
・体長 約19㎝
・コシアカツバメの巣:とっくりのような形
繁殖地は九州方面よりも北側となり、西日本方面で多く見られます。コシアカツバメは、他のツバメよりも若干ですが大きめです。
腰のあたりが赤っぽいのが特徴で、尾羽も長くお腹には縦長の斑点模様が見られます。
ショウドウツバメ
下記は【ショウドウツバメ】の画像(写真)です。
・体長 約13㎝
・ショウドウツバメの巣:人家ではなく、下記画像のように土手や崖に横穴を掘って巣にします。
一般的なツバメと比べると少しサイズは小さめです。みためは茶色でお腹は色、尾羽も若鶏のように短いのが特徴です。何となく岩肌に同化してみえますね・・。
リュウキュウツバメ
下記は【リュウキュウツバメ】の画像(写真)です。
・体長 約14㎝
・ツバメの巣 おわん型
見ためは、一般的なツバメに似ていますが、ひたいとホッペタのほとんどが赤いのが特徴です。そして、胸からお腹にかけてはグレーで薄い縦斑があります。
尾羽はみじかく、浅くてゆるやかなカーブの切れ込みがあります。下尾筒の先っぽは白っぽく、魚のウロコのような模様になっています。
繁殖地は、琉球諸島になります。そして、リュウキュウツバメの最大の特徴は、他のツバメと違い暖かい地域なので渡りをしない点が大きく違います。
ヒメアマツバメ
下記は【ヒメアマツバメ】の画像(写真)です。
・体長 約13㎝
・ヒメアマツバメの巣:巣の材料に枯草だけでなく羽毛もつかいます。
また、コシアカツバメやイワツバメの巣を利用する場合もあります。その際、巣を修正する時には、羽毛が巣材として良く利用されているのが特徴です。
ヒメアマツバメは、アマツバメの仲間で、渡りはせず太平洋側方面に1年中確認されています。ヒメアマツバメの特徴は、下記画像のように、やや小ぶりで体色は黒っぽくく、喉もとと腰のあたりが白いのが特徴です。
さて、あなたの近くで見かけるツバメは、どの種類でしょうか?ツバメの種類ごとに、体の色や模様などが異なりますが、巣の形にもそれぞれ違いがあり特徴があります。
どんな地域で、どんな形の巣をかけたか?で、ある程度ツバメの種類が特定しやすくなりますょ。どんなツバメが来ているのか?いちど確認してみるのも良いですね^^
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ツバメの巣 作り方は
ツバメの巣 作り方は、まず夫婦で材料となるワラや枯草、泥などを探しに行きます。それを目標地点の壁に、まずは横一直線にペタペタと貼り付けていきます。
巣を作る場所の位置決めをまずする感じでしょうか?
ある程度、横一直線に泥をつけ位置が決まると、本格的に形作っていきます。この作業は、オスとメスが仲良く一緒に行っています。
給餌や子育て、何でも一緒にやっていますね。
巣作りの材料は、このように枯草や泥に自分の唾液を混ぜたものが材料になります。これまでの傾向だと、巣作り初日は比較的天気の良い日が多いです。
巣立ちの時もそうですが、雨が降り続いてもちゃんと晴れ間をねらって巣立っていきます。賢いですね。
巣作りですが、1日もするとほぼ原形が出来上がり途中乾燥させたりするので、完成まではには2~3日かかります。
作り始めの巣は、濃い茶色をしていますが泥が乾くと白っぽくなります。天気にも左右される部分もありますが、2~3日もすれば立派な巣が完成しています。
ツバメの寿命は何年?
実は、本来の寿命を全うできるツバメは非常に少ない・・です。
例えば、自然環境下におかれた成鳥の平均寿命を【生態的寿命】言いますが、この場合のツバメの平均寿命は1.1年・・・。
そして、 野外での長命記録は3~16年となっています。
ツバメの平均寿命は、想像以上に短く、2年生きられるツバメが少ないのが分かりますね。
その原因としてツバメの寿命を左右しているのは、ツバメをとりまく厳しい環境にあります。ツバメの生活スタイルは、渡りも含め非常に過酷なものです。
ツバメは鳥類の中でも、天敵を含め非常に多くの危険にさらされている!事もその理由の1つでしょう。
ヒナの段階で、命を落とすツバメも非常に多く、何とか無事に巣立ったとしても、その後は過酷な長旅が待っています。
こうして、ようやく巣立ったヒナも、1歳になる前に7割以上のツバメが命を落としてしまいます。このように天敵や病気など悪環境などにより、ツバメ全体の平均寿命を下げていると考えられます。
この平均寿命からみても、ツバメは長く生きたくても生きられず、いかに過酷な環境の中で生きているというのが良く分かりますね。
しかしこのような環境下でも、中には10年以上も長生きするツバメもいます。
長くて16年生きたツバメが確認されていますので、ほぼ病気にもならず運良く天敵の襲撃を、まぬがれる事ができたのでしょう。
このように、環境が良かった場合の寿命を、【生理的寿命】と言います。
本来であればツバメの生理的寿命は、10年以上なのでそれほど短いわけではありませんよね。結局のところ、病気をしないで環境さえ良ければ、平均的にこれくらいは生きられるのでしょうね・・。
日本で、せわしなく子育てをしているツバメの姿を見ると、切ないほどにけなげです。
決して安全が保証されるわけでもない、この厳しい自然界で全力で生きる姿は、見習うべき点がとても多いように感じます。
ツバメの寿命を調べるには、ツバメに足輪をつけて、長い年月をかけてツバメを追っていく必要があります。
上記のツバメの平均寿命は、日本の鳥類学者でもある黒田長久さんの調査データーを参考にさせて頂きました。
参考文献:【鳥類生態学】
著者:黒田長久
出版:科学総合研究所
以上『渡り鳥ツバメの習性や生態・飛来時期やツバメ 種類!巣の作り方や寿命は何年?』の記事でした
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